鉄骨製作工場ってこんなところ
鉄骨製作工場は、製作能力や工場設備などに応じてランクがつけられています。これを「グレード」といいます。
最上位グレード「Sグレード」から「Hグレード」「Mグレード」「Rグレード」「Jグレード」の5段階に分類されています。
川上製作所は、石川県では上位グレードとなる「Hグレード」認定を取得しております。
Hグレード工場とは、建築鉄骨構造物に対して適切な品質と安全が確保されると国土交通省が認定した工場です。
当社は、鉄骨の設計から製作まで一貫した責任施工体制をとっています。
物件ごとに異なる工程・材料・形状・施工法などの要素を詳細に検討し設計から出荷まで綿密な計画を立て、工作図、作成指示書に基づき鉄骨を製作しています。
社会の急速な変化に伴い、構造物はより大型化・特殊化しています。そして、それらを支える鉄骨には、一層の高精度と高品質が求められており、やりがいのある仕事です。
建物ってどうやって作る?
管理部
○ 設計
設計図を基に工作図の作成及び製作要領書の作成を行います。
工作図の作成は、建築鉄骨専用CADにて作図を行います。
なお、鉄骨製作のうえで大変重要な工程で、設計図に代わり現寸作業を行います。
まずは、一般図の梁伏図及び軸組図に着手します。
その後、現寸作業を経て、各種加工図が作図され、それに基づいて工場内で製作していきます。
◇一般図
- アンカープラン
- 伏図
- 軸組図
- 部材リスト
- 継手リスト
- 溶接基準
- 各種詳細図
◇加工図
- 一次加工図
- コア加工図
- パネル加工図
- 柱詳細図
- 梁加工図

検査部
○ 材料受入検査
入荷した材料が注文内容と合っているか材料検査を行います。
○ 材料入荷

▲コラム:外注加工業者にて切断、開先加工までして入荷となります。

▲H形鋼:商社に注文し、生材としてメーカーより直送されます。


▲各種PL入荷:ダイアフラム、内ダイアフラム、ベースなどは、外注加工業者にて寸法切断後入荷します。
製造部
○ 一次加工
設計にて工作図及び現寸作業のデータを用いて、一次加工を行います。
★H形鋼…生材で入荷しますので、当社にて孔明、切断、開先加工を行います。

▲ドリルマシンで孔明加工を行います。

▲鋸盤で寸法通りに切断加工を行います。

▲H形鋼開先加工機で開先加工を行います。
○ 組立加工
一次加工された鋼材を工作図に基づいて組立・組立溶接を行います。
組立は、治具を用いながら部材の相互の位置を保ち、溶接の変形を少なくするために、適当な逆歪みや拘束を加えます。
また、溶接による収縮量を見込んで、出来上がり寸法形状を正確に保つようにします。
○ 溶接

▲半自動ガスシールド溶接(手溶接)

▲ロボット溶接
組立溶接された工作物の構造上主要な部材及び接合部の溶接を行います。
溶接には、被覆アーク溶接(アーク手溶接)、ガスシールドアーク溶接など様々な溶接方法があり、近年ではロボットによる溶接も増えています。
溶接方法の選定は、使用される鋼材の種類、機械的性質、溶接性とともに継手形式、溶接姿勢、作業環境、作業能率、継手の品質などを考慮したうえで適切な方法が選定されます。
さらに、それらに適合する溶接機種及び溶接材料を選定して、溶接施工条を満足させなけらばなりません。
◇溶接エンジニアに必要な資格
- 半自動溶接技術者(3A-F、3A-V、3A-H)
- すみ肉溶接技術者(SFil-F、SFil-V、SFil-H)
- AW検定(工場溶接)(鋼製タブF,H、代替タブF,H)
◇溶接エンジニアに必要な技能
- 床上操作式クレーン(5t)
- 玉掛技能
まずは、床上操作式クレーンと玉掛技能講習の資格にチャレンジしていただきます。
その後、半年ぐらい立ってから、半自動溶接の試験を頑張りましょう。
なお、上記の資格の費用は全て会社負担で受けることが出来ます。
検査部
○ 製品検査
出来上がった製品が、加工図の通り製作されているか各種検査を行います。
検査の種類は、寸法検査、外観検査、超音波探傷検査などがあります。

▲超音波探傷検査
超音波探傷検査とは、非破壊検査の一種です。主に超音波探傷機器を用いて溶接後の内部に欠陥がないかチェックします。
建築鉄骨超音波検査技術者もしくは非破壊試験技術者(UT)の資格が必要です。
製造部
○ 塗装
検査が済んで出来上がった製品には、長期間の防錆効果のために、錆止め塗装を行います。
塗装の種類も数多くあり、錆止めを施す場所が(屋内or屋外)、(海岸地域or重化学工業地域)などの条件により使い分けます。
特に耐食性が必要な場合は、亜鉛メッキ処理を施す場合もあります。

○ 出荷
工場で製作された製品を大型トラックやトレーラーなどで現場まで運搬します。
鉄骨製作工場が、現場組立や現場溶接を行うこともあります。

○ 完成
このように、様々な工程を経て鉄骨工事は終了となり、その後、外装や内装工事が施され建物が完成します。
鉄骨工事は、人間の骨と同じく外からは見ることが出来ませんが、なくては成り立たない大変重要な役割を果たします。
「鉄」は、あらゆる元素として進化し、私たちが住む街を形成してきました。地震大国と呼ばれる日本において、その暮らしを守り、より良い未来を創るのも「鉄」なのではないでしょうか。

▲金沢市城北市民屋内運動公園 屋内広場

▲国立病院機構 医王病院 外来管理治療棟

▲エネルギー回収型ごみ焼却施設

▲新石川県立図書館整備工事
製作実績
▲金沢駅西広場 バスシェルター
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▲戸板小学校 屋内運動場
▲健民海浜プール ウォータースライダー
▲日本パーツセンター
▲森本小学校 屋内運動場
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